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静岡の高校生バンド「Plug and Pray」によるCDリリース!インタビューその2|本店
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お店にもよく来てくれる静岡の高校生バンド、「Plug and Pray」が、今まで作成したオリジナル曲をCDアルバムにして発売しました。オリジナル曲を作るというだけでもすごい事ですが、今回発売したのはなんと8曲入りアルバム。高校の部活動の集大成として、卒業制作の意味も含んだCD発売。制作秘話や、若者の熱い思いを聞いてみました。今回はその続編です(インタビュー/原田貴久)
~曲作りについて~
――では、ここでその曲作りについて、教えて頂きたいと思います。同梱の歌詞カードを見ますと、作詞作曲は全てみのりさん。
みのり はい。アレンジは皆でやってます。
――どうやって作ってるんでしょう?
みり とりあえず、まずはみのりが弾き語りを持って来ますね
みのり はい。なんとなくですが、自分で「この曲はこうしたい」、というイメージは持っていて、それを皆に伝えて、だんだん形にしていきます。
ギター&ボーカルの みのりさん。全ては彼女から発せられる言葉、旋律から始まる。
――なるほど。そんな中、メンバー間でいろいろあったりするんですか?
みり あったね~・・・。
みのり 頭の中にあるものを、言葉で伝えるのがなかなか難しくて。
あすか メンバー同士の衝突。
みり みのりが自分達に伝えてくれているのに、それを形に出来ない。悔しさがいつもありました。そこは大変でしたね。
――青春ですね~。
みり そうですね~(笑)でも、その時は青春どころじゃ無かったですよ!ヤバイヤバイ、みたいな。今じゃ良い思い出ですけどね(笑)
――みのりさんは、作曲の時、詞が先とか、曲が先とか、あるんですか?
みのり その時その時で違うんですけど、詞と曲が同時に降りてくる事もあります。そういうフレーズは即決で使ってます。あとはコードの響きとかからメロディを作って、詞があとから、とか。そう、詞を考えるのに結構てこずった記憶がありますね。
――このアルバムに入っている曲は、どういうイメージで作りましたか?
みのり 全ての曲が似たような曲にならないよう、1曲1曲に色がきちんとあるように、かつ、世界観は統一させたかった。でも、世界観って何?って思う事もあって、それを言葉で示すのってなかなか難しかったですけど、聞いてもらえれば、自分達の曲だ、とわかってもらえるように、統一感?というか、そういう雰囲気は意識していました。
――なるほど。そうやって出来た曲を皆でアレンジするわけですが。
やあちゃん 私は、キーボード、シンセサイザーで音色を作りますが、作った音色は、その曲だけのもの、という意識で作っています。作った音色は、他の曲では使わないようにしています。曲自体に独特の彩りが感じられるように。
シンセサイザーを2台操る やあちゃん さん。サウンドへのこだわりはハンパでは無く、納得のいくまで果てしなく音作りに励む。これがこのバンドのサウンドを位置付けている。あと髪型もハンパ無い。
――それって作曲ごとに音色も作らなければいけないわけで、結構大変ですね。
あすか 曲作っている人はもっと大変なんで。私は、その都度、ドラム叩いて、「これどう?」って聞いて、またドコドコドラム叩いて、また「これどう?」って聞いて、イメージにあうのが出るまでやり続けた。みたいな。
こーだい やっぱり「曲」そのものが大事なので。曲の雰囲気に合わせる事を心がけました。
~完成したアルバム、「蝶の五臓八腑」~
――それでは、完成したアルバムの紹介をしていきたいと思います。まずタイトルからして強烈ですね。「蝶の五臓八腑」とは。よくこのタイトルが出ましたね。素晴らしいと思いました。
みのり ありがとうございます。お察しの通り、五臓はメンバー5名の事、八腑はこのアルバムに収められた8つの曲達の事を意味しています。
――先ほど、オリジナルは13曲とおっしゃっていましたが?残りの5曲はいずこへ?
あすか 渾身の、厳選された、8曲って事で。
完成したアルバム「蝶の五臓八腑」全曲プレビュー
――なるほど。アルバム全て聞かせて頂きましたが、残りの5曲も聞きたくなる、素晴らしいアルバムですね。歌詞カードも見せて頂きました。文字にすると、ライブで聞いていた時とはまた違った、強烈なインパクトがありました。あとで伺うとして、録音はどうやって?
みのり 2曲目の「心中withスカイブルー」を2年生の時に尚美ミュージックカレッジ専門学校で、4曲目の「ぼくのもの」と8曲目の「adult」を音楽天国浜松市野店で録音しました。2年生の終わりと3年生になったばかりの時です。それ以外の曲は、音楽部のOBの先輩に、3年生の夏に録音してもらいました。
――では1曲目。「夕炎」ですね。ゆうえん、と読むのでしょうか。ゆったりした曲で、Plug and Prayの世界へようこそ、と言った感じの、このアルバムの序章的な役割かと。
みのり はい。この曲は、2年生の初夏くらいかな、2曲目に収められている「心中~」とセットで作りました。曲調が違うのですが、明暗というか、そういったものを表現したかった。歌詞カードに映っている写真も、夕焼けと青空で、対比させたような、そんな感じに仕上がっています。
歌詞カード内の写真のほとんどは、みのりさんと、みりさんによる撮影。その他アートワークも含め、本アルバムはセルフプロデュース作品と言えるだろう。
あすか へー。はじめて聞いた~。
――え?皆知らないの?
みのり あ、、、ええ、、、歌詞とかもあんまり皆に見せないんで(笑)
――ほうほう。なぜですか?
みのり 最初書いた歌詞も、時を経てだんだん変わっていく事もあって。歌詞カードにして皆に見せてしまうと、その曲の成長がとまってしまうんじゃないか、というか。だから、あんまり皆に見せてこなかった、ですね。
――2曲目は、明るいアップテンポの、まさに売れる曲、といった印象ですね。でも歌詞が不安定な若者の心をむき出しにしている、というか。このアルバム全体に言える事なんですけども。ギターソロも、普通のスケールでは無く、多少アウトしていく感じというか。浮遊感がありますね。曲のテーマにすごく合っていると思いました。
みり ありがとうございます。
ギターの みりさん。彼女の奏でる単音フレーズは、このバンドの持つ中毒性に大きな影響を及ぼしており、キーボードのやあちゃんさんと絶妙なバランスを保っている。ピンクのギターがトレードマーク。
――3曲目は「醜い蝶」。
みのり この曲は1年生の秋くらいに出来た曲です。いろんな大会で賞を頂く事ができ、まさに私たちの代表曲です。ホントにお世話になった曲です。
こーだい 2年間で、演奏面でもバージョンアップした曲だと思います。
あすか みのりの歌い方も結構変わったよね。
みのり そう?
――改めて歌詞カード、文字に起こすと、なんとも言えぬ衝撃がありますね。歌詞カードの左側と右側の内容、そして曲調がガラッと変わるところで、鳥肌が立ちますね。最後の「名前を呼んで~」という歌詞のところでは、もう漏らしそうなくらいですね。
こーだい (笑)原田さん、やばいヤツですね。
あすか ここ、絶対カットしないでよ。
――次いきましょう。4曲目、「ぼくのもの」です。
みのり 2年の秋頃ですかね。地元と東京の先輩バンドとの3マンライブの為に、曲数が足りなかったので、3曲同時進行で作った曲です。
あすか マジきつかった。
ドラムの あすかさん。バンドのマスコット的な愉快なキャラクターでいじられ愛されているが、コンテストで個人賞を何度も受賞するなど、バンドの屋台骨を支えている実力派。
――この曲、コード進行がずっと同じような感じなのですが、なのにそう感じさせない、聴かせる感じに仕上がっていますね。すごいと思って聞いてました。以前ライブで聞いたときの印象とも、若干変化しているように聞こえます。
みのり アレンジにはかなり力を入れました。あと、音楽天国浜松市野店の鈴木さんに録音、ミックスしてもらった事もあって、すごく良い仕上がりになりました。
――3曲目と4曲目が、曲的に繋がっているようにも感じました。
みのり はい。「醜い蝶」は女の子目線で、「ぼくのもの」は男の子目線で書きました。
――5曲目、「ether」。エーテル、と読むんですね。
みのり これは、7月に行った、自分達の音楽部引退ライブ用に作った曲です。1週間くらい?で作りました。
――引退ライブで聞いた時と、このアルバムで聞いた印象が全然違うんですが、何かアレンジとか変わりましたか?
やあちゃん 音色とかも全然変えて無いですよ。
あすか あー、あのときが下手すぎただけ。
全員 (爆笑)
ベースの こーだい さん。練習量、探究心ともに部内一。部活を引退した後も、当教室で理論を学ぶ等、常にレベルアップを求めている。バンドでは、全体のバランスを考えたプレイに徹している、縁の下の力持ち的存在。
みのり あの時は、皆でアレンジしながら、1週間くらいで作ってそのままライブやったんで。今考えるとボロボロでしたね。本当は、バラードっぽい曲を作りたかったんですけど、時間が無くて。バラードの曲って結構作るの難しいじゃないですか。だからちょっとテンポも早めて、、、
こーだい 要するに、勢いで攻めた、と。
あすか ここ、カットでお願いします。
全員 (爆笑)
――6曲目、「月曜日なんて死ねばいい」。すごいタイトルですね。
こーだい 2年生になったばかりの頃に作りましたね。
――タイトルも、歌詞の中身も、すごく重たいですね。
こーだい 軽音部の大会ではやれない曲でしたね。歌詞的に。
――ただ、歌詞の内容的には、生について歌いたい曲なのかな、とも感じましたが。
みのり そうですね。生と死は反対の意味のようで、同じところにあるというか。月曜日なんていやだな、と思っていても、月曜日が来るって事は、生きているという事。だから月曜日が来ると言う事は、それ自体が存在証明になる。そんな意味合いです。
――これは、大人は確かに大会などには出したくない、と思うでしょう。しかし、今この年齢、この時期じゃないと、書けない曲なのかな、と思いました。
みのり そうですね。ちゃんと歌詞を聞いて、歌詞カードも読んで欲しいな、と思います。
大会に出そうとしてボツになったらしいアグレッシブなアーティスト写真。今回のアルバム内に収められている。
――7曲目。「生命線」。
みのり 2年生の終わり頃かな?2回目のTeens Rock in AICHIの為に作りました。最初、他の曲で応募していたのですが、その曲では出場したくなくて。その曲ではダメだと思ったので。おかげで、皆には迷惑かけちゃいましたけど。
あすか ほんと、ギリギリだったよね~
こーだい なんかいつもそんな感じだよね。新しい曲で挑戦するというか。
――皆、いろいろと拘りがあるんですね。さて最後の曲、「adult」。
あすか これも同時進行。「生命線」と。
――出ました同時進行。
あすか Teens Rock in AICHI用。たぶん、メチャへたくそだったよね。
やあちゃん あのときの演奏は、もう聞きたくないわ~
もう1枚の高校生らしい(?)おもしろアーティスト写真。あすかさんが何かケースのようなものに入れられていますが、合成ではない。
――こうやって8曲を振り返ると、全ての曲に一連の流れがあるように見えますね。「夕炎」が序曲的な位置付けで、2曲目でアップテンポになり、3曲目で代表曲が来て、4曲目でその対比となる曲、続けて生死観のような曲の流れで。ここまでは少年少女の気持ち、思いが続くんですが、最後に来て、大人になろうという意志が出てくると言うか。この曲で締めるというのが、一種のコンセプトアルバムのようにも聴こえてきて、曲順にも非常に拘った様子が伺えます。この辺りも狙っているんですか?
みのり フフフ(笑)
――(笑)「adult」は、1番のサビと、最後のサビの「ふざけんな」という歌詞の意味合いが違うようですね。
みのり 曲、前後の歌詞を見てもらえればわかると思うのですが、この曲の主人公は、最初の「ふざけんな」の時は言葉に出来てなくて、最後の「ふざけんな。」の時は、言葉に出して言えた、という情景になっていて、それぞれに意味があります。それと、歌詞カードを見てもらうとわかるのですが、最後の「ふざけんな。」には、「まる」があります(句点の事)。言葉に出している、という意味で、まるの有無で区別しています。活字でちゃんと読んで感じて欲しい曲です。この曲は。
最後の全国大会、「adult」を演奏後、インタビューを受ける5人。客席にいた他校の女子生徒は、この時泣いていた。
――最後、ピアノのソロで終わるんですが、最後の音が、このコードの構成音で終わらないんですね。9thあたり?の音で終わる。何か、続きがあるんじゃないかと思わせる感じです。
やあちゃん この、微妙な、浮遊感のある感じで終わりたくて、拘りましたね。
――この終わり方は、このバンドの続きを、期待してしまうんですけれども。進路が音楽じゃないメンバーもいるようですが、この続きは、それぞれの音楽活動で、また聞けたらいいな、と思いました。
みのり はい。ここでは話せなかった、曲の解説というか、メンバー一人ひとりの思いも、ツイッターに掲載されていますので、そちらも見て頂きたいな、と思っています。
Plug and Pray 公式ツイッターはこちら
今回はここまで。次回第3回が最終回です!
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