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「教養としてのクラシックの名曲」について触れる (Ⅰ) | おとサロン静岡呉服町
スタッフコラム|教室
こんにちは、閲覧ありがとうございます。
今回のブログはいつもの教室紹介とは違い、コラムという形でお届けしたいと思います!
いろいろテーマを考え、やはり音楽を専門的に学んできたのでそんな経験が活きる内容でお届けできればな...と。
そうそう実は私、こう見えても衝撃的なことに音楽を本格的に始めたのが遅いです!(実はピアノとかは一切やったことありません...)
中学生の時に吹奏楽部に特に理由も無く何となく入部してクラリネットを始めたのが今思えばきっかけですかね。
高校でも音楽を専門的に学びたいと思い、専門のコースが設けられている学校でたくさん勉強しました。
そんなこんなで音大にまで進学し、結果10年もクラリネットを続けています...
現在はもうただ趣味で...という感じになってしまいましたが、ここでやめるのももったいないので市民バンドでたまに演奏してます♪
そんな形で音楽を始めたのは割と最近なのですが、クラシック音楽を聴くという観点ではかなり長いんじゃないかなと感じます。
幼い頃からクラシック好きだった両親の影響で様々なCDを買ってもらっていました。
当時「のだめカンタービレ」の流行もあったりゲームでクラシック音楽に触れることもあったので、ラフマニノフやモーツァルトのCDを欠かさず毎朝毎晩聞いていましたね...
また音楽だけでなくクラシック音楽に関連した書籍を読んだり収集したりすることも好きなのですが、最近クラシックに関する面白い本を見つけましてね...
それがこちら!
『教養としてのクラシックの名曲100』という本です。
内容としては交響曲~オペラ・バレエ~室内楽の名曲選りすぐり100曲をクラシック初心者の方でも分かりやすく説明してしてくれている1冊です。
曲だけでなくオーケストラの編成や楽器についてや、クラシックの楽しみ方、初心者にオススメの1曲を紹介しています☆
※初心者でなくても名曲が作曲された背景などを知ることができ、愛好家でももちろん楽しめますよ♪
今回はそんな『教養としてのクラシックの名曲100』をもとに、何曲かご紹介してみたいと思います。
(本の内容に沿って紹介してくのでよろしければ本を片手にこのブログをお読みいただくとより一層面白いかもしれません。)
読んでくださる方に分かりやすくシリーズとして今後お届けしていけたらな~と思いますのでぜひ最後までお読みください!
それでは行ってみましょう!
~クラシックとジャズの融合!のだめブームで流行したあの曲~
突然ですが皆さんこの漫画はご存知ですか?
アニメ化、日本・韓国で実写ドラマ化された二ノ宮知子さんの代表作『のだめカンタービレ』
変人で演奏も無茶苦茶だけどどこか惹かれてしまう「のだめ」こと野田恵と、指揮者を目指す俺様キャラでお馴染み「千秋先輩」こと千秋真一のドタバタラブコメディーで一世を風靡しましたよね!
私も小学生の時にすっごくハマりました!!!(漫画も読み、アニメも全話視聴済み笑)
今思えばクラシックが大好きになったきっかけは紛れもなく『のだめカンタービレ』の影響だったのかもしれません...
そんな『のだめカンタービレ』にはクラシックの名曲からちょっとマイナーな曲までたくさん登場しますよね。
"ベト7"ことベートーヴェンの「交響曲第7番」やラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」など...のだめブームで知った!という方が多いのかと思います。
しかし今回はそんな2曲は置いといて...
ドラマエンディング、大学祭のシーンで使用されたガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」について触れていきたいと思います☆
↑「のだめ」でラプソディ・イン・ブルーといえばマングースですよね...!!!
~ ところで「ラプソディ・イン・ブルー」を作曲したガーシュウィンって何者?~
ジョージ・ガーシュウィン(1898~1937)はユダヤ系ロシアの移民の子として、ニューヨークのブルックリンにて生まれました。
ガーシュウィンには2歳年上の兄、アイラ・ガーシュウィンがいました。
実はもともとガーシュウィン兄弟の父は兄のアイラに音楽を学ばせようとしていました。そのためにピアノまで購入し「あとは弾くだけ!」のところまで来ましたが、文学肌だったアイラはピアノに興味を示さず...代わりに弟のジョージがピアノを弾いていたのです。
ガーシュウィン(弟)はその後もピアノや和声を「習い事」として習っていた程度で、本格的に作曲の勉強をしていた...というわけではありませんでした。
↑この方がガーシュウィン
また少年期はかなりの不良だったガーシュウィン(弟)。女性関係など頻繁にトラブルばかり起こしていました(今でいうヤンキーですね)
ガーシュウィンは兄と組んで歌曲を作成し発表して音楽活動をしていました。
20代になった頃には兄・アイラとレビューやミュージカル向けに多くのポピュラー・ソングを送り出しました。
ガーシュウィン兄弟によって作られ、後年までスタンダードナンバーとして歌われている歌曲は『私の彼氏(The Man I Love)』『バット・ノット・フォーミー』『アイ・ガット・リズム』などをはじめ、おびただしい数に上ります。
~ 1件の無茶な依頼からすべては始まった ~
※本書をお持ちの方は168ページを併せてご覧ください。
そんな時、ニューヨークで実験的音楽会を企画していたジャズ・バンドの指揮者ポール・ホワイトマンが歌曲の大ヒットで一躍時の人となっていたガーシュウィンに目を付け"音楽の新しい試み"として「ジャズを大胆的に取り入れた管弦楽作品を作成してほしい」という依頼をガーシュウィンにします。
もっと詳しく掘り下げると、「ラプソディ・イン・ブルー」が作られることになった発端は1924年1月3日、他の仕事で多忙だったガーシュウィンが兄のアイラとビリヤードへ息抜きに行った際に新聞で「ホワイトマンがガーシュウィンに曲を発注した」という記事を偶然見つけてしまいます。当然、ガーシュウィンはそんなことを1ミリも知りませんでした。
翌日、抗議のためガーシュウィンはホワイトマンに電話をかけるも、実はこの記事はホワイトマンがガーシュウィンを呼びつけるために作ったウソの記事だったらしく「新聞記事になってしまったから作ってくれ...!」とホワイトマンに押し切られ結局作ることになってしまいました。
この時点でかなり無茶を言ってるのがのがよく分かりますが、もっと酷いことになんとその新曲を披露するコンサートに至っては1か月後に控えていました(もう相当無茶苦茶な案件です)
ガーシュウィンは怒る暇もなく「もう仕方ないな...」というやるせない気持ちの中、約2週間で曲を書き上げました。(えらい)
ただ、専門的な音楽教育を受けておらず独学で管弦楽の作曲を学んでいたガーシュウィンはまだオーケストレーションに精通しているとはいえなかった上に、作曲の期間が迫っているという事情もあったので、ファーディー・グローフェというピアニストが代わりにオーケストレーションを行いました。(※グローフェは当時、ホワイトマン楽団のピアニスト兼専属の編曲者でした。)
もともとは2台ピアノで演奏する形式で曲を完成させたのですが、これをグローフェがピアノと弦楽パートに振り分けて編曲しなんとか初演に漕ぎつけました。
ピアノ独奏が入るため内容的にはピアノ協奏曲っぽい雰囲気の曲でもありますが、ヨーロッパのクラシック音楽とアメリカのジャズを融合させたシンフォニックジャズとしてこの曲は高く評価されました。
注目の演奏会当日は、ラフマニノフ、ストラヴィンスキー、スーザといったクラシック好きならテンションが上がるような歴史上の大作曲家やハイフェッツ、ストコフスキーといった一流の演奏家たちが顔を揃えるといった大変な盛況となりました!
ただ、あくまでも"実験的な演奏会"だったため演奏曲目が実に24曲と膨大なうえに曲目も変化に欠けていたために聴衆はかなりの苦痛を強いられていたようです(24曲もある演奏会なんてそれはきつい...)
居眠りや途中で帰る客も目立ち始め、聴衆の苦痛が限界に達しようとした時に、最後から2番目の曲目として「ラプソディー・イン・ブルー」が演奏されました。(ちなみにトリはエルガーの威風堂々)
さすがに飽き飽きしていた聴衆に斬新で今までにない音楽だった「ラプソディ・イン・ブルー」は大受け!
この時の成功の模様はあまりにも有名ですが、とにかく完全に失敗に終わりそうなホワイトマンの実験的なコンサートは、ガーシュインの1曲のために歴史的なコンサートとなり、4月には全く同じプログラムで、カーネギーホールでも開かれました。(24曲コンサートをまたやるというのもなかなかすごいが...)
また、1924年だけでホワイトマンバンドは、「ラプソディー・イン・ブルー」を84回演奏したとの記録が残っています。Σ(・□・;)
※番外編※
ちなみにクラリネット吹きなら一度は吹いてみたことがあろう冒頭の"あの"グリッサンドですが...
もともとは17音の上昇音階となっていました。が、これをホワイトマン楽団のクラリネット奏者が面白半分でグリッサンドに変えたところこれがガーシュウィンにウケてしまいグリッサンドに書き換えられてしまったとか...
~ 様々な映画でもお馴染みの1曲!まずは聞いてみてください♪ ~
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音楽に興味があったらまずは気になる楽器の体験をしてみることもオススメです♪
聞くだけじゃなく、自身が演奏するのも楽しいので気になるコースがございましたらぜひお問い合わせください。
ここまでご覧くださりありがとうございました!
次回もお楽しみ~(*^▽^*)
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